金型加工の精度確保

精密金型加工の精度を確保するため、金型の洗浄と離型剤の塗布、半製品（オイルシール骨格とゴムリング）の設置、反転による金型の閉じ、金型の送り込みという作業手順が行われます。ラックアンドピニオン駆動による加硫チャンバー、真空加硫、ラックアンドピニオン駆動によるキャリッジへの金型の送り出し、金型の開き、裏返し、製品の取り出しを行います。

2 部構成のゴム製オイル シール金型の製造

2 分割オイル シール金型の製造には、一体化された部品を加工し、正確に適合するように組み立てる必要があり、優れた加工技術と便利な金型検査が保証されます。単一キャビティの金型材料は Cr12 として選択され、タイプレートは 45 鋼で作られています。金型加工では、金型図面を厳守し、キャビティ寸法を確保することに加えて、金型加工精度を維持するために次の点が重要です。

1. 接着剤流溝の加工：

従来、オイルシール金型における接着剤流溝の精密加工は無視されることが多かった。接着剤の流れの溝は、キャビティから離れすぎたり、寸法の制御が困難で加工されることが多く、トリミングが複雑になり、製品の美観に影響を及ぼしました。 2分割オイルシール金型は、三角形の接着剤流れ溝の内端寸法を製品外径に（ゼロ対ゼロで）合わせることで、これらの問題を改善しました。このとき上下の金型は鋭利な刃先を形成し、オイルシール成形時の余分なバリを削り取ります。これにより、トリミングプロセスが簡素化され、製品の外観が向上します。接着剤の流れ溝とキャビティ外径が別モジュールにあるため干渉がなく、精度の確保が容易です。

2. 上型と上型コアの嵌合加工：

上型と上型コア１とはテーパーフィットを採用している。従来はラッピング工法により接触率80％以上を実現していました。この従来の方法は難しいだけでなく時間がかかり、フラッシュなしの効果を実現するのは依然として困難でした。新構造の金型加工により、テーパー軸に比べてテーパー穴のテーパー角が若干小さくなりました。これにより、上型と上型コアがパーティング面で常に密着し、隙間のない嵌合が維持され、この部分のバリがなくなり、金型の製造性が向上します。

3. 上型コア1と上型コアの圧入：

オイルシールの二次リップの寸法と精度を確保するには、上型コア 1 と上型コア 2 の圧入が重要です。二次リップのフラッシュは外観に大きな影響を与えます。新構造の金型は、上型コア1と上型コア2をしまりばめで、個別に加工した後、熱膨張を利用して一体に圧入し、上型コア2を上からネジでしっかりと固定し、二次リップの緩みを効果的に防止します。

4. 各キャビティ金型間の接続:

各単一キャビティ金型とタイプレート間の接続は、精密金型の正確かつ柔軟な開閉を保証するために、ある程度の浮きを許容する必要があります。一般に、単型とタイプレートの隙間は0.50～1.0mmの範囲に制御されます。ギャップが大きすぎると、使用中に金型の位置がずれ、過度の摩耗が発生し、金型の寿命が低下する可能性があります。隙間が小さすぎると、稼動時に金型キャビティ同士が干渉し、稼動が困難となる場合があります。

回転軸オイルシール二分割金型の開発により、従来の三分割金型構造を変更し、オイルシール製品の外観と性能を確保し、作業効率を大幅に向上させました。